獣医さんの電子工作とパソコン研究室 |
26-2.AC/DCアダプタの性能をチェック 〜 500mA以下のグループ 〜 |
いままでジャンク箱の中のAC/DCアダプタを表示を信じて使っていました。しかし、実際に調べてみると、死にかかっているものや、動作がおかしいものもあることがわかりました。 簡易電子負荷装置を製作したので、手元に使用されずにいた20個のAC/DCアダプタをチェックしてみましたので、これをレポートします。 |
500mA以下のグループ |
1.Astel D141 9.5V 200mA |
2.SANYO TEL-CHL770 9.0V 200mA |
3.ENSIGN 12V 250mA |
4.Panasonic AD0031AJL 12V 300mA |
5.AOMA AD-8706 10V 300mA |
6.SHARP EA-23E 8.5V 350mA |
7.KUBOTA AC-10 6V 350mA |
8.National QZA900067A 6V 400mA |
9.RON GER TM-410905 9V 500mA |
10.JOD-41-080 5V 500mA |
500mA以下のグループ 測定結果 |
**:赤字のものはアダプタが異常とおもわれるものです。 |
★ その結果わかったこと ★ | |
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No.10 JOD-41-080 5V 500mA ・・・ コンデンサの容量抜け | |
No.10 JOD-41-080 5V 500mA 以前使用していた10MのHUBに付属していたもので、ハブの調子が悪くなりお蔵入りしていたものです。 ハブの電源ランプもついているし、LINKのインジケーターもついているけれども、データの転送ができなくなっていました。 要は、このACアダプタが壊れていて、電圧不足だったのだと思われます。 |
まず、分解してみました。ケースのつなぎ目に穴をあけ、ドライバーでこじ開けました。 この手のアダプタではセンタータップ型全波整流回路が多いのですが、ダイオード4本使用したブリッジ型全波整流回路にコンデンサ(1000μF)が付いている回路でした。 コンデンサの外観上の変化はありませんでしたのでコンデンサの容量が抜けているのに気づくのには時間がかかりました。(写真の右側、はずしてあるものが壊れているコンデンサです。付いているコンデンサの下側にはダイオードが2本隠れています。) 別のコンデンサを付けて測定したデータを下に示します。なんと、ちゃんと電圧が出ています。 |
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ちなみに、黄色の矢印ですが、いままでにACアダプタの電圧が出なくなっているものを分解したところ、この部分のエナメル線が切れているものが2件ありました。プラグの動揺で断線するのでしょう。出力電圧が出なくなったACアダプタは、分解してこのあたりをよく見てください。 |
新しい1000μFのコンデンサを付けたときでは、定格の500mAで出力電圧は4.86Vとまずまずですが、リプルは2.63Vと、他のアダプタよりかなり高くなっています。 ついでに、もう一つ1000μFを並列に付け2000μFとしてデータを取ってみました。出力電圧はそれほど変わりませんでしたが、リプル電圧はだいぶ低くなります。 |
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No.9 RON GER TM-410905 9V 500mAの場合 |
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同様に、No.9 RON GER TM-410905 9V 500mA
もリプルが大きかったのですが、コンデンサを追加するとリプル電圧は低下しました(出力端にコンデンサを並列に接続しただけです)。中を開けてはいませんが、コンデンサの容量抜けかもしれません。 このアダプタは、電気ドリル用の充電器として付属してきたような気がします。充電器としてならこのリプルは問題にはならないのでしょう。
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No.5 AOMA AD-8706 10V 300mA の場合 |
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No.5 AOMA AD-8706 10V 300mA のリプルの状況です。 このアダプタもコンデンサを入れたらリプルは小さくなりました。 | ||
無負荷時の波形です。テスターでは14.07Vを表示していました。 | 100mA負荷時の波形です。きれいな半波整流になっています。テスターの表示は8.71Vです。山は0〜13.7Vまで振れていました。 |
このアダプタも中を開けていませんが、コンデンサの容量抜け、または、コンデンサが付いていないと考えられます。 |
さいごに |
いままで、気になっていたAC/DCアダプタの性能ですが、今回、簡易電子負荷を製作したおかげでいろいろなことがわかりました。オシロで波形を見ることも必要ですね。
600mA以上のAC/DCアダプタの測定結果はこちらです。 |
Last up date 2004/11/01 | |