獣医さんの電子工作とパソコン研究室
 
 37.燃えた電子式蛍光灯安定器
 

 病院で使用していた蛍光灯器具が突然点灯しなくなったのでバラしてみたところ、なんと、コンデンサが燃えていました。すぐにでも替えが欲しかったので、手持ちのインバーター(秋月電子で販売)に交換しました。


 その1.燃えた電子式安定器 
  
外見上はまったく変化がありませんでした。
インバーターのケースを開けてみると、中に入っている絶縁用?のプラスチックが溶けているではありませんか。
コンデンサが見事に火を噴いた感じです。
ヒューズ内臓とありますが、内臓のヒューズ(速断型と思われる)は切れていませんでした。
このトランスとコンデンサの周囲にも、何かの針状結晶がついていました。
なんとなく嫌な感じですね。
なんでしょう?
 
 この蛍光灯器具ですが、「器具も蛍光管も高いけどHFタイプは一般のものに比べて明るいからいいですよ」ということで、病院内の天井の蛍光灯はHFタイプのものにしたのですが、表示を見ていて、消費電力が45W×2と書いてあります。32Wの蛍光管を使っているのに消費電力が45W? どういうことでしょう。その他に99Wという記載もあります。インバーター器具が1灯あたり13Wも消費しているのでしょうか? 明るいといっても、結局電気を喰っているのでしょうか? この辺について、詳しく知っている方、教えてください。 
 --- 2007/6/5  この件についてのメールをいただきました ---
インバーター回路の件ですが、私の分野は蛍光灯の制御ではないですが理屈は同じなので簡単に答えいたします
一番はインバータの回路で損失される電力分だと思います。
AC100Vまたは200V をいったんDCに直して平滑し、これを電子制御や発信器を用いて再度ACに直ています
これに当てはまるのが実は車に使われている今流行のHIDヘッドランプです  35Wと行って皆さん消費電流が少ないと思っておられますが、
バラスト(インバータみたいなもの)と呼ばれているHIDの駆動回路が必ず存在します。そこでの消費電力もあるので結局、普通のヘッドランプ55W程度の消費電力とほぼ同じくらいになるんですね。
インバーターにすることによってメリットはきめ細やかな制御ができる。 蛍光灯なら調光制御もできますね。
簡単にざっと答えてみました
コンデンサーの劣化が原因でしょうかね?燃えることは・・・・  今は樹脂難燃性という国際規格 UL規格と言っています 
この規格をクリアした部品を使うように設計しています

 
 --- 2007/11/24  この件について専門の方から有用な情報をいただきました ---
いまさらかもしれませんがHFインバーターの消費電力の件です
写真に載っているHFインバーターは高出力型です
HF系32W直管型蛍光ランプは規格で32W省電力駆動と45W高出力駆動ができます(HF管に違いはありません安定器で決まります)
従来のインバーターと比べると省電力型はちょっと明るく  省電力高出力型はずいぶん明るく配置によっては器具の数を2/3位にしても
同じ明るさが得られるといったように使うようです
私も始め気がつかずに一台だけ工場の照明をHF高出力型に交換してしまい
ラピットスタート型と並んでいると全然明るさが違うので困ったものです・・・。
ただHF安定器の物によっては従来のラピット式蛍光管を付けても普通の明るさで点灯するので管をラッピット管にして使ってます
(ただしメーカーは禁止しています)。

  
 --- 2007/12/25  この件について専門の方から有用な情報をいただきました ---
コンデンサ焼損の安定器についてお知らせします。 
高出力タイプの器具だと思われます。(安定器の写真より判断)
Hf型2灯用照明器具の消費電力は、出力形式が定格出力タイプで65W〜69W、高出力タイプで86〜95Wです。
Hf型の32W蛍光ランプは、2重定格を持っていて、高出力タイプの照明器具で使用した場合1本当たり消費電力が45Wと大きい分明るくなります。
光源が発する光の出力量(光束)は、2灯用の定格出力タイプで6600ルーメン、高出力タイプでは8970ルーメン程度です。
なお、高出力タイプの照明器具の価格は、定格出力のものと比べて高額であります。
一般的に、省エネには定格出力タイプを、明るさ重視には高出力タイプが選定されています。
また、寿命については従来型の鉄心タイプの方が粗悪品でない限り長持ちすると考えられます。

  
Hfではないですが、インバータ式蛍光灯器具について考察されているHPをみつけました。
 あすなろ電器さんのホームページ内 「照明の明るさ」 のページです。 
 
 実は、このインバータ式安定器、壊れたのは2台目なのです。それも以前壊れた(いつだったかは覚えていませんが)のは、お隣についていた器具のものだったのです。
以前壊れたものは基板上に目視してまったく異常はありませんでしたが完全に死んでいました。これら器具はスイッチの後に3台ついていて、その内2台が壊れたことになります。他にもたくさん同形式の器具があるのに、どうしてここだけが壊れるのでしょう? 何か問題があって壊れるのでしょうか? 電気工事関係の方、教えてください。
 
 その2.急ぎでしたので、こんなものに取り替えてみました 
 
 とりあえず、急ぎだったので、手元に購入してあった秋月電子の蛍光灯用インバーターに取り替えました。今はAC100V用 40W×2灯用を販売していますが、以前は200Vタイプのもので抵抗を1本追加、1本変更するだけで100V用として改造することができるものです。
VRの調整で明るさもコントロールでき、説明書にはCDSの追加で、明るさに応じて自動調光するような改造例も出ています。
 
壊れたHf蛍光灯電子安定器と秋月の電子安定器では蛍光管への配線が若干異なっています。

 というわけで、簡単な改造で安定器を載せ替え、無事に点灯させることが出来ました。
 
 その3.蛍光灯電子安定器の利点 
秋月の安定器に付属している説明書には
 ・明るさはそのままに、消費電力を抑えます。
 ・発熱を抑え、空調負担も軽減します。
 ・用途に応じて明るさは可変できます。
 ・ランプは「黒化現象」になりにくく、寿命が延びます。
 ・照度センサによる、自動調光が可能です。
 ・ニ灯用でパラ点灯が可能です。(秋月の100V用のものはパラ点灯はしないとあります)

参考サイト
 岩崎電気(株) 照明講座−照明技術資料
 電気管理 Q&A 一般的な蛍光灯回路の種類と蛍光ランプの黒化現象
 


New release 2007/3/18

 

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